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「一駅歩く」で痩せない、本当の使い道

Joel Renk著者 Joel Renk··読了 約4分

「一駅手前で降りて歩く」は、日本でいちばん有名な運動アドバイスかもしれません。 そしていま検索すると、出てくる記事のほとんどが「効果がない」と書いています。

その指摘は正しいです。この記事は反論しません。数字を確認したうえで、 まったく別の使い道の話をします。

まず、痩せないという話を認めます

山手線は営業キロ34.5キロ、30駅なので、駅と駅の平均間隔は1.15キロです。 普通の速さで歩けば15分ほど。

体重60キロの人が15分歩いたときの消費は、おおよそ50キロカロリーです。 おにぎり1個が180キロカロリー前後なので、4分の1くらいということになります。

トレーナーが「意味がない」と言うのはこの数字のことで、言い分としてはまっとうです。 体を変えたいなら、平地を15分歩く程度の刺激では足りません。ダイエット目的なら 1日8,000歩から12,000歩、しかも時間で30分以上、というのが標準的な目安です。

一駅分は、その目安のごく一部でしかありません。

なので、体重を落とすために一駅歩くのは、やめたほうがいいと思います。 続かないうえに、続けても数字が動かないからです。

消費カロリーの詳しい計算は ウォーキングの消費カロリーに まとめてあります。

質問がそもそも間違っています

一駅歩くことを「運動」の枠で評価すると、必ず負けます。運動としては小さすぎるからです。

枠を変えます。一駅分とは、毎日その上を通過しているのに、一度も見たことがない 1.15キロの地面のことです。

これは日本の都市に特有の状況です。電車は高架を走るか地下を走ります。改札の中と、 降りた先の目的地は知り尽くしている。その二点をつなぐ地面だけが、10年通っていても 完全な空白のままです。

そしてその1.15キロにあるものは、だいたい決まっています。商店街、路地、個人商店、 古い銭湯、名前を知らない神社、住宅街の抜け道。駅前でも観光地でもない、 検索しても出てこない層です。

面積で見るとこうなります

歩くと、自分の周囲およそ30メートル幅、片側15メートルずつの帯が明らかになります。

一駅分の1.15キロなら、こうです。

1,150 m × 30 m = 34,500 m² = 約0.035 km²

月20日、帰りだけ歩くとして23キロ。ぜんぶ新しい道であれば0.7平方キロメートルほど。 東京23区は627.6平方キロメートルなので、1年続けても数パーセントには届きません。

小さいと感じるはずですが、比較対象を間違えないでください。同じ道を1年往復した場合、 明らかになる面積は初日と同じ0.035平方キロメートルのまま、1ミリも増えません。

一駅歩きが続く理由は、意志ではありません

ここが実は一番おもしろい部分です。

「毎日30分歩く」は続きません。開始も終了も自分で決めるからで、決めるたびに やめる機会が発生します。

一駅歩きにはそれがありません。降りた時点で、歩く以外の選択肢が消えます。 途中でやめても家には着かないので、最後まで歩きます。終点が固定されていて、 中断できない。行動としてはかなり強い形です。

つまり一駅歩きの価値は、消費カロリーではなく、この構造のほうにあります。

4つのやり方

  • 行きではなく帰りに。 行きは遅刻の可能性が発生するので、続きません。 帰りは誰も分単位で待っていない、1日で唯一の自由な15分です。
  • 毎回違う道を通る。 二つの駅は固定でも、間の道は固定ではありません。 ここが要点で、同じ一駅を20回歩いても、道を変えれば20回とも新しい面積になります。
  • 大通りを避ける。 駅と駅は普通、大通りでつながっています。そこは電車から 見えている場所です。一本入った裏道と商店街のほうが、面積あたりの発見量が多いです。
  • 二駅にしない。 30分になると天候と荷物で崩れます。15分は雨でも成立する長さです。 続くほうを選んでください。

地図がないと、結局同じ道になります

上の「毎回違う道」が実際にはほぼ実行されません。理由は単純で、何も記録されないからです。 違う道で帰っても15分楽しいだけで、翌週には元の道に戻っています。

歩数計は助けになりません。歩数を数えるだけで、どこを歩いたかには関心がないからです。 同じ道の200回目と、初めての道が、同じ数字になります。

霧の地図はここを変えます。戦略ゲームの仕組みを実際の街に持ち込んだもので、 地図は最初すべて覆われていて、歩くと自分の周りの霧が晴れます。仕組みの詳細は 現実版の戦場の霧に書きました。

Fogbreakerの領域機能は、これを 行政区画ごとのパーセントにします。国、地域、市、区、町の5段階で、それぞれ面積と 自分が晴らした面積と、その割合が出ます。

数字は最初、かなり低いです。それは意図的で、90パーセントから始まる数字には 伸びしろがありませんが、0.4から始まる数字は新しい道を一本通るたびに動きます。

正直に書いておくこと

雨の日と荷物の多い日は無理です。無理な日にやろうとすると習慣ごと壊れるので、 乗ってください。

痩せたいのであれば、この記事の方法では足りません。強度を上げる話は 日本式ウォーキングのほうが役に立ちます。

霧が晴れるのは屋外でGPSが動いているときだけです。ランニングマシンや商業施設は 歩数は増えても地図は変わりません。FogbreakerはiOSとAndroidで無料、領域機能も すべて無料です。

一駅分は、痩せるには小さすぎて、街を知るにはちょうどいい距離です。 そこを取り違えなければ、たぶん一番続く習慣になります。

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