2018年、リッキー・ゲイツというランナーがサンフランシスコのすべての道を走ろうと決めました。景色のいい道だけではありません。きれいな一周でもありません。すべての道、すべての行き止まり、地図上のあらゆる短い区間まで、未踏の場所がなくなるまで走り切ったのです。数か月かかり、そして静かに、自分の街で同じことをする人たちの運動を生み出しました。
不思議なのはここからです。これに挑戦したほとんどの人が同じことを言います。何年もその街に住んでいたのに、全域を歩いて覆うと決めるまで、街を本当に見てはいなかった、と。二本先の通りの小さな店。上る理由がなかった、2つの道をつなぐ階段。実は近所でいちばんきれいだったと分かる、静かな一区画。
この考えに心を掴まれたなら、これは実際にやるための実践ガイドです。3週目で投げ出さずに街のすべての道を歩く方法です。
「すべての道を歩く」とは実際どういうことか
目標は言葉にすると単純で、実行すると驚くほど奥が深いものです。自分で選んだ範囲の中の道の100%に、実際に足を踏み入れること。英語圏では every single street チャレンジと呼ばれ、その魅力は純粋なコンプリート欲です。戦略ゲームで地図を全部明らかにしたくなるのと、スクラッチ式の旅行ポスターをすべて削りたくなるのと同じ本能です。
違うのは、近道がないことです。完成した地図を買うことも、トレッドミルで稼ぐこともできません。道を塗る唯一の方法は、自分でそこを歩くことです。この制約こそが、達成に「自分で勝ち取った」感覚を与えます。
何を「数える」かも自分で決められます。多くの人は公道と歩行者用の道を含め、私道、法的に歩けない自動車専用道路、ゲート付き敷地の内部は除外します。審判はいません。自分が納得できるルールを選んで、一貫させてください。
なぜやるのか
自慢できること以外に、時間を使う価値のある理由をいくつか。
住んでいる場所を再発見できる。 すべての道を覆うことは、いつもの3つのルートから抜け出して、ふだんは車で通り過ぎるだけの街の90%へと踏み込ませます。近所で新しいルートを見つける9つの方法で書いたことの、もっとも徹底した形です。ただし「新しいルート」が最終的に地図全体になる点が違います。
リセットされない目標。 歩数計は毎晩ゼロに戻り、あなたに何も求めません。地図は覚えています。完了した道は完了したままなので、進捗は上がる一方です。この「覚えている」性質こそ、地図が数字に勝る理由のすべてであり、戦場の霧型ウォーキングアプリがこのチャレンジに驚くほど噛み合う理由でもあります。歩いた道は永久に明るくなり、空白の道はそこに残って、また来いと挑発してきます。
健康面の見返りが大きい。 何しろ、たくさん歩くことになります。数週間、数か月の毎日のウォーキングは、心臓、体重、血糖値、気分に本物の変化をもたらします。毎日のウォーキングが体に何をしているかで扱ったすべてです。全道踏破チャレンジは、実のところ楽しい衣装をまとった運動習慣にすぎません。
街のすべての道を歩く、手順
1. 範囲を決めて、小さく始める
最大の間違いは「街全体」から始めることです。ほとんどの人にとってそれは何千本もの道と何百キロもの距離で、その規模だけで、勢いがつく前にモチベーションが死にます。
ひとつの地区から、できれば自分が住んでいる地区から始めてください。典型的な住宅地区なら、ふつうのウォーキングを数週間続ければ現実的に終わりますし、何かを終えることこそが継続の燃料になります。自分の縄張りが完全に光ったら、隣の地区を併合します。次はその隣。あなたは街を歩いているのではなく、地区をひとつずつ集めているのです。
範囲ははっきり線引きしてください。道や自然の境界(川、線路、環状道路)を使えば、「完了」がどんな形かを常に把握できます。
2. どこへ行ったかを覚えている地図を用意する
ここが成否を分けます。すべての道を記憶だけで歩くことはできません。どの脇道を済ませたかは必ず分からなくなりますし、同じ区画をうっかり歩き直すことが、人が燃え尽きる原因です。
歩いた道を自動的に記録し、残りを示してくれるものが必要です。かつては印刷した地図と蛍光ペンで、ウォーキングのたびに手で塗っていました。機能はしますが、面倒で、ごまかしも簡単です。
現代版は、スマートフォンに任せることです。これまでに歩いた場所を地図で見る方法はGoogle Timelineからスクラッチマップ系アプリまでいくつかありますが、このチャレンジに欲しいのは自動的に埋まっていくものです。GPSベースのゲーム感覚のウォーキングアプリは、実際に覆った道を記録して永続的な記録を保つので、「残り」のリストが常に正確で、常にポケットの中にあります。特に戦場の霧型のアプリでは、歩いていない道が文字どおり暗いまま残るので、退屈な帳簿づけが楽しい部分に変わります。もうひとつの道は、CityStridesのような道路踏破率トラッカーで、進捗を道ごとに監査してくれます。霧の地図方式との比較はCityStridesのようなアプリにまとめています。
進捗は、覚えておくべき数字ではなく、目で見える地図になります。
3. 歩数を無駄にしないルートを組む
残りが見えるようになると、計画は効率的になります。行ったり来たりを大幅に減らす戦術をいくつか。
- 芝刈りのように、格子状に進む。 1本の道を端まで歩き、隣の平行な道に移り、戻ってくる。完全な網羅を狙うなら、行き当たりばったりより体系的なほうが勝ります。
- 行き止まりは意識的に処理する。 往復が避けられないので、近くにまとまっているものは1回の外出でまとめて片づけ、あとで戻らないようにします。
- 目的地にルートを選ばせる。 買い物が必要?いちばん歩いていない経路で行き、別の経路で帰る。どうせやる用事に道の踏破を織り込むことが、着実な進捗の秘訣です。(この考え方については新しいルートを見つけるで詳しく書いています。)
- 面倒な部分は専用の外出にとっておく。 どの地域にも、飛び地のような厄介な道が数本あります。良いウォーキングをそれで台無しにせず、1回の集中した掃討でまとめて片づけましょう。
4. プロジェクトではなく習慣にする
「プロジェクト」には開始日があり、熱意の爆発があり、そしてゆっくりとした死があります。習慣は、ただ静かに起こります。狙うべきは後者です。
すでにやっているウォーキング(朝の一周、通勤、夕食後の散歩)にチャレンジを結びつけ、それをまだ歩いていない道に向けるだけです。ウォーキング自体が義務に感じられ始めたら、それは歩くことを楽しくする15の方法からいくつか借りる合図です。ポッドキャスト、折り返し地点のコーヒー、あるいは連続記録を切らしたくないという圧力。
ここでは継続が強度に勝ります。週4回、新しい道を20分歩くほうが、二度とやらない3時間の英雄的な行軍より早く地区を終わらせます。
5. 友だちを巻き込む
一人でも成立しますが、このチャレンジは誰かが一緒にやると劇的に面白くなります。地区を先に取る競争や、どちらの地図がより完成しているかの比較は、一人での記録には決してない競争の引力を加えます。
これは実質的に地図つきの歩数チャレンジであり、ふつうの歩数競争と違って、いちばん速く歩く人が自動的に勝つわけではありません。踏破率は、もっとも丁寧で継続的な人を評価します。だから、いつも上位にいるジム通いの1人だけでなく、全員にとって面白いままでいられるのです。
実際どれくらいかかるのか
正直に言うと、範囲とペース次第です。
住宅地区ひとつなら、ふつうのウォーキングで数週間であることが多いです。ひとつの区全体なら数か月かもしれません。中規模の都市全体を、専業の探検ではなく日常生活の一部として行うなら、たいてい1年ほどのプロジェクトになりますし、それでまったく問題ありません。このチャレンジを生んだ人たちは、これを週末ではなく人生の一季節として扱いました。
コツは、街全体の大きさと自分を比べないことです。いま片づけている地区と比べてください。小さくて終えられる塊こそが、大きなゴールまで運んでくれます。
最後までやり切るためのヒント
- 地図だけでなく割合も追う。 「自分の区の78%完了」は不思議とやる気が出ます。その数字が伸びていくのを見ること自体が報酬です。
- 節目を決める。 地区をひとつ終えるたびに祝いましょう。完了には少し儀式が必要で、そうしないと達成に感じられなくなります。
- 難しい道は早めに。 遠くて面倒で坂の多い区画は、後回しにしても楽にはなりません。モチベーションが高いうちに片づけてください。
- 写真を撮る。 地区が完全に光ったら、スクリーンショットを残しましょう。その前と後こそ、あなたが本当に誇れるものになります。
まだ歩いていない1本の道から始める
計画も表計算ソフトも、空いた土曜日も必要ありません。必要なのは、終えられる範囲を決めること、残りが見える方法、そしてまだ歩いていない道を1本選ぶことです。
今日重要なのは最後の1つだけです。あとはそれを、地図から暗闇がなくなるまでくり返すだけです。
チャレンジ全体が大きすぎると感じるなら、街を横断する1回のアーバンハイクが同じ発想の1日版であり、自分に合うかを確かめる良い方法です。
そして、その街に来たばかりなら、最初の数か月はチャレンジの残りとは違う扱いをする価値があります。新しい習慣が異例なほど簡単に定着する期間があり、それは思っているより短いのです。その期間の使い方はこちら。
歩くほどに地図が勝手に埋まっていく形(晴らす霧、獲得するXP、100%への道で追い抜く友だち)が欲しいなら、それこそがFogbreakerを作った理由です。地区を選んで、まだ足を踏み入れたことのないいちばん近い道へ行きましょう。
